①アボリジナルアートに登場する様々な模様やモチーフの意味がまとまって紹介されているような資料はありますか?
②生活の中でどういった場面で模様やモチーフが登場し、役立てられていたのでしょうか?また、そういったものが紹介されている資料はありますか?
回答
①辞書のように一覧になっている資料はありませんが、「アボリジニ美術(岩波世界の美術)」という資料に動物のモチーフについていくつか記載されています。また、円などは様々なものを表すモチーフのため、同資料にも「これらのデザインの完全な説明には付加的な情報がつねに必要である。」とあります。
上記資料の参考文献としてナンシー・マン(Nancy Munn)の
「Walbiri Iconography(1973)」の記載があります。
(出典:アボリジニ美術(岩波世界の美術) ハワード・モーフィ著・松山利夫訳 岩波書店 2003年)
②少なくとも2つの場合に分けられます。
1つめは日常生活のもので、狩りの成果や獲物、場所などをモチーフで表しています。「地図」という言葉でよく表されます。
2つめは宗教・哲学上のもので、儀式や儀礼に用いられるボディペインティングなどがそれにあたります。儀式に参加しない(できない)人々にはモチーフや意味は隠され、そうすることで神聖性や秘密性を保持しています。そうした側面から秘密性の高いモチーフの知識は力や地位の象徴ともされています。
(出典:アボリジニ美術(岩波世界の美術) ハワード・モーフィ著・松山利夫訳 岩波書店 2003年、オーストラリア・アボリジニの美術:《ドリームタイムへのいざない》 松山利夫監修 読売新聞社 2001年)