オーストラリアというと、石炭、鉄鉱石、牛肉、ワインなどを連想する人が多いでしょう。しかしそれらの産品は、経済全体からみるとシェアは大きくありません。オーストラリアでは観光、金融、ビジネス関連サービス、教育などの第三次産業が経済の中心です。現在では、労働者の7割が第三次産業に従事しています。その一方で、輸出は農業と鉱業が中心で、それに観光を加えた三つの産業が、外貨獲得の役割を担っています。海外からみたオーストラリアのイメージは、この輸出産業によって作られているといってよいでしょう。近年、中国やインドの経済発展の影響で、輸出産業は好調です。輸出産業がオーストラリア経済全体をけん引するかたちで、経済が成長しています。〔監修:花井清人・松繁寿和〕